ガンマった!【創作童話】

「ママ、きょう、ガンマった?」

「ママ、がんばったよ。」

「ボクね、えんで、おおきなこえで、へんじした。」

「すごーい!がんばったね。」

 

こどもえんからかえって、ママとガンマったはなしをする。

でも、おうちにいるあかちゃんは、なにもガンマっていない。

すわって、「あー、あー。」っていうだけだ。

 

ボクは、おてつだいも、ガンマっている。

かいもののとき、あかちゃんのカートをおすのは、ボク。

スーイ、スーイ、クルッと、カートをうごかす。

あかちゃんは、「キャッ、キャッ。」とよろこぶ。

スーイ、スーイ、クルッ。「キャッ、キャッ。」

なんかいも、なんかいも、やる。

あかちゃんは、ずっとわらっている。

ママも、わらっているかな?

うしろをむいたら、ママがいない。


ママをさがさなくちゃ。

ダダダッ、スーイ、スーイ。

「いない。」「キャッ、キャッ。」

ダダダッ、スーイ、スーイ。

「いない。」「キャッ、キャッ。」

「もう、わらうな!」

あかちゃんがなきだした。

おおきなこえで、ないた。

かおをまっかにして、ないている。

あかちゃんが、ガンマって、ないている。

「さがしたよー。」

ママがはしってきた。

ママが、ボクをぎゅっとした。

ママが、あかちゃんをだっこした。

 

よる、ふとんのなかで、ママにおしえたんだ。

「あかちゃん、いっぱい、ガンマって、ないたんだよ。」

「そうだよ。

 あかちゃんは、いきるために、

 いっしょうけんめい、がんばって、なくんだよ。」

 

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