人魚と泳いだママ【創作童話】〜SDGs⑭海の豊かさを守ろう〜

私のママは、時々、海のゴミ拾いのボランティアに行きます。

私も小学生になったので、明日、一緒に行くことになりました。

夜、寝る前、ママに聞きました。

「どうして海のゴミを拾うの?」

すると、ママがお話をはじめました。

 

**************

 

ママが子供だった頃、家族で海に行ったの。

その日は曇りで残念ながら海に入れなくて、

仕方がないので、子どもだったママは貝殻拾いをすることにしたの。

見つけたのは、小さな貝殻ばっかりだった。

それでも、貝殻を探して、浜辺をずんずん歩いていった。

浜辺を探していたら、キラキラ光るのを見つけたの。

手に取ったら、シーグラスだったの。

とってもきれいで丸いガラス。

キレイだなってみていたら、「返して。」っていう声が聞こえて、

ぱっと顔を上げたら、そこに人魚がいたの。

子どもだったママと同じくらいの子どもの人魚が手を出していた。

すっごくびっくりして、ママは腰を抜かしてしまって。。。

その人魚が「それは、私の鱗よ」っていうから、

ママがシーグラスを返そうとして、人魚の手に触れたの。

そしたら、、、

ママも人魚になっちゃったの。

 

子どもだったママは人魚になって、人魚と一緒に海の中を泳いだの。

とっても気持ち良かった。

スイスイ泳げて、髪も風になびくみたいにサラサラ揺れた。

泳いでも泳いでも端はなくて、海は広いなって思った。

一緒に海の底を目指して泳いだの。

海の底にゴミがあった。

いっぱいじゃない。

でも、すっごく目立つの。

そして、海のゴミは人間のゴミだった。

自然のゴミはいつか自然に帰る。

でも人間のゴミはそのまま残っている。

子どもだったママはなんだかとっても悲しい気持ちになって、

その海のゴミ拾ったの。

一緒に泳いでいた人魚はびっくりして聞くの。

「どうして拾うのか」って。

「ゴミはゴミ箱に捨てるのよ」って教えてあげたの。

人魚は不思議そうな顔をして、

「ゴミ箱ってなあに?」って聞くの。

海にゴミ箱はないんだって、ママは気がついた。

だから、子どもだったママは、「ゴミを砂浜に持って帰る」って言ったの。

「人間に見つかっちゃう」って、人魚はママを引き止めた。

でも、ママはどうしてもゴミを拾わないといけない気がしたの。

だって、海にゴミは不自然だったから。

そうしたら、人魚がさっきの鱗をそっとママに渡したの。

「お守りだよ。」って。

 

その後、ママの記憶はあやふやで、気がついたら浜辺にいたの。

貝殻を拾っていたはずなのに、ママの周りはゴミだらけで。

ママ、その時思ったの。

海のゴミを拾わなくちゃって。

 

それで、大人になって、海のゴミを拾うボランティアを見つけた。

ママは海のゴミがなくなるまで、拾い続けたいって思ってるの。

明日は、初めて自分の子どもと一緒にボランティアに参加できる。

ママ嬉しいな。

 

**********

 

次の日、私はママと海のゴミ拾いにいきました。

プラスチックのゴミ、紙のゴミ、思ったより落ちてて、びっくりしました。

突然「ありがとう」という声が聞こえて、私は顔をあげました。

周りには、ボランティアの方たちがゴミを拾っていました。

ママと呼ぼうとしたら、浜辺にキラキラ光るものがあって、

近づいて拾ってみたら、それはシーグラスでした。

 

シーグラスは、ガラス片が長い年月をかけて波や砂によって丸く削られたものです。

人間のゴミでさえも、海はキレイなものに変えてしまうんだ。

私は、シーグラスをポケットにしまって、ゴミを拾い続けました。