望んだ未来じゃない【創作童話】〜SDGs⑫つくる責任 つかう責任〜

村にテレビという物を設置したいと、

見知らぬ国の見知らぬ人たちがやって来た。

 

村の中心にテレビを置くと、

国の偉い人たちが決めたそうだ。

 

村の色々な場所を、色々な機械で調べている。

村人以外の人たちが、聞いたことのない言葉で話している。

 

そのテレビを置くために、

木が切り倒され、重機が村を走る。

 

村に電気がついた。

夜も明るいと、知らない国の人が喜んでいる。

 

テレビが付いた。

国の偉い人がきて、盛大にお祝いする。

 

テレビの中で、「花火」がドンドンと音を出す。

「キレイでしょう。」

自慢げに、テレビを付けた人が言う。

 

村にいた鳥を、最近見なくなった。

村から見えた星を、最近見なくなった。

 

毎日、明るい。

毎日、うるさい。

 

これは、誰が、望んだ風景?

これは、誰が、決めた未来?

 

知らない国の人の価値観を

勝手に押し付けた。

 

この村に住む人の意見も聞かずに

この村を変えた。

 

村人たちは、テレビがなくても幸せだった。

村人たちは、電気がなくても幸せだった。

 

見知らぬ国の人たちが、見知らぬ国に帰っていく。

村人たちは、これからも、この村で生きていく。

 

望んだ未来じゃない「今」を村人たちは、どう生きる?

テレビを使わずに、電気を使わずに、

今まで通り生きることもできる。

テレビを大いに使い、電気を利用して、

今まで以上の生活をすることもできる。

 

村人たちが望んだ未来にするために、

村人たちが今できること。

 

「いつか、村で本物の花火をあげよう。」

テレビに写った花火を見ながら、村の若者が呟いた。

 

 

1330stars.hatenablog.jp