恐竜と話した事【創作童話】

青い空。白い雲。暖かな風。

ハクモクレンは、大きな花を咲かせました。

 

ハクモクレンは、青い空を見ながら、

恐竜と話したことを思い出します。

 

ハクモクレンが花を咲かせると、

恐竜たちが集まってきました。

「小さな花だね。」

「爽やかな香りだね。」

ハクモクレンは、恐竜たちと話すことが好きでした。

 

でも、突然、恐竜はいなくなってしまいました。

ハクモクレンが咲いても、恐竜は来ません。

 

それから、長い年月が経ちました。

ハクモクレンが何回咲いても、恐竜は来ません。

 

ハクモクレンは、青い空を見ながら、

恐竜たちと話したことを思い出します。

 

「おいしい水。」

「あふれる緑。」

「この空が好き。」

「この雲が好き。」

「ハクモクレンの花が好き。」

「この世界がずっと続いたらいいね。」

 

恐竜がいなくなってしまった今も、

ハクモクレンは、花を咲かせ続けています。

 

ハクモクレンは、花を咲かせると、

雲に話しかけました。

「この世界は、続いているよ。」

「これからも、続いていくよ。」

 

ハクモクレンは、風にのって、

恐竜のように、ノソノソ揺れました。

「恐竜さんと、また話したいな。」

 

 

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