雪だるまさん【創作童話】

ママがこたつに座ると、娘は嬉しそうにママの膝の上に座りました。

「お話しして。」

「どんな話がいいの?」

「なんでもいい。」

ママは外の雪を見てひらめき、話し始めました。

 

ママとパパが結婚した頃の話だよ。

ママは赤ちゃんが欲しいなあって思って、

サンタさんにお手紙を書いたの。

「赤ちゃんが欲しいです」って。

 

そうしたら、サンタさんからお返事がきて、

「頼む相手が違います」って書いてあったの。

ママは、赤ちゃんはコウノトリさんに頼むんだったって思ったの。

 

「ことりさん?」

娘が聞き返した。

「コウノトリさん。小鳥さんより大きい鳥さんだよ。」

 

でも、外は雪が降っていて、

きっとコウノトリさんは飛べないだろうなって思ったの。

それで、お地蔵さんに頼んでみようって思ったの。

 

「ぞうさん?」

娘が聞いた。

「お地蔵さん。動物じゃなくて、石でできているんだよ。」

 

でも、お地蔵さんが近くにいなくって・・・

それで、雪だるまさんを作ることにしたんだ。

雪だるまさんをた~くさん作って、

「赤ちゃんができますように」って、お願いしたの。

 

そうしたら、こんなに可愛い女の子が生まれました。

 

そう言って、ママは娘の鼻をチョンとしました。

娘が考え込んでいるようだったので、

ママは、少し話が難しかったかな?と思いました。

 

それから、娘は何かを思い出したように言いました。

「お空でね、

 いっぱい雪だるまさんあるって、なって、

 あのお家がいいって、なって、

 ママの赤ちゃんになったの。」

 

ママは、とても驚きました。

それから、娘をギューと抱きしめて言いました。

「うちの子になってくれて、ありがとう。」

 

ママは、もう一度娘をギューと抱きしめて、

「一緒に、雪だるまさん、作ろっか?」

と言いました。