へんしんできる【創作童話】

「へんしんするよ」

あっくんは、タッタラー、タッタラーと

うたいながら、おどりだしました。

そして、「へーんしん」といって、

しゃがんで、ちいさくなりました。

 

「なにに へんしんしたでしょう?」

あっくんが、しつもんします。

ママは、かんがえていいました。

「だんごむし」

「ブッブー!」

ママは、もういちど、よーくあっくんをみました。

「わかった。いし!」

「ブッブー!」

 

「せいかいは、きょうりゅうのたまごでした。

 ママ、あたためて。」

ママは、あっくんに、もうふをかけました。

 

あっくんは、バッとたちあがると、

「へんしんするよ」

といいました。

タッタラー、タッタラーとうたいながらおどります。

そして、「へーんしん」といって、さっきとおなじように

しゃがんで、ちいさくなりました。

 

「なにに へんしんしたでしょう?」

あっくんが、しつもんします。

ママは、くびをかしげていいました。

「きょうりゅうのたまご?」

「ブッブー!」

ママは、あっくんをよーくみました。

「りんご」

「ブッブー!」

 

「せいかいは、ゾウのたまごでした。

 ママ、あたためて。」

ママは、あっくんに、もうふをかけながら、

「ぞうさんは、たまごをうまないよ。」

といいました。

 

あっくんは、バッとたちあがると、

「こんどは、ママがへんしんして。」

といいました。

ママは、あっくんのまねをして、

タッタラー、タッタラーとうたいながらおどり、

「へーんしん」といって、

りょうてをハサミにして、よこあるきをしました。

 

「なにに へんしんしたでしょう?」

ママが、あっくんにききました。

「ブッブー!」

あっくんは、おこっていいました。

「たまごに へんしんして!」

 

ママは、あっくんのまねをして、

しゃがんで、ちいさく、まるまりました。

すると、あっくんがママをつつんで

ぎゅうっとあたためはじめました。

 

「たまごはね、ママがあたためると、

 あかちゃんに へんしんできるんだよ。」

あっくんが、こっそりママにおしえました。

 

「たまごが、あかちゃんに へんしんしたから、

 ママは、ママに へんしんできたんだね。」

ママが、あっくんを、ぎゅうっとだきしめました。

 

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